格安SIMの弱点としてよく言われている『格安SIMは通話料が高い』という問題。これは通話が多い方にとっては悩みどころでしょう。
実は格安SIM各社のサービスに、完全な「かけ放題」のプランがありません。これは回線を借り受けている大手キャリアの意向であるため、IIJmioの努力でどうにかなる問題ではないようです。
しかしプランが存在しないことは、格安SIMを検討されている方にとっては一大事です。特に通話が多い方にとってはね。
さて、この『通話定額オプション』とはどのようなサービスで、どんな使い方をすればお得なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
ポイントは『ひと手間』です。
もくじ
選べる、2種類の『通話定額オプション』


IIJmioホームページから抜粋
IIJmioの『通話定額オプション』は上記のような2種類が用意されており、携帯電話の利用スタイルに合わせて選べるようになっています。それを料金プランのオプションとして契約することで、月々の通話料が安くなる仕組みです。もちろん必要ないと思う人は、どちらも選ばないこともできます。
サービスの概要はこのようになっています。
- 事前に契約することで、国内向けの3分または10分以下の短い通話の料金が、何回かけても無料になります。
- 3分または10分を超えた部分の通話には、通話料が発生します。
- 『みおふぉんダイアル』からの通話が対象です。『みおふぉんダイアル』から発信できない番号(ナビダイヤル等)に対する通話には適用されません。
- 家族間の(同一mioID間の)通話なら、10分または30分までの通話が無料になります。
大手キャリアや同業他社では5分以下の通話を対象にした同様のサービスがよくみられます。しかし「5分では短い」という評価は意外に多いようです。
では、使い方を見ていきましょう。
『みおふぉんダイアル』での通話しか適用されない


『みおふぉんダイアル』とは、専用アプリを通じてかけるIIJmio契約者専用の通話アプリのことです。みおふぉんダイヤルについて、詳しい内容の記事がこちらにありますので参考にしてください。
電話をかける時、iPhoneを使っている方は上記のような緑色のアイコンを使いますよね。IIJmioの契約者にはそれとは別にピンク色のアイコンが用意されます。
緑のアイコンから電話すると、いつも通りに20円/30秒の通話料がかかるのですが、ピンクのアイコン(みおふぉんダイアル)から電話すると10円/30秒と通話料は半額です。となれば、絶対にピンクからかけますよね。使い方はほとんど変わりません。ただし、一部発信できない番号があります。
しかし、『みおふぉんダイアル』でかける事ができないとされている「ナビダイヤル」への通話は、大手キャリアのかけ放題プランでも対象外とされているため、実はあまり大きなデメリットとは言えないのかもしれません。
もちろん、格安SIM利用時でも『みおふぉんダイアル』を使わずに通常の通話アプリ(緑のアイコン)からダイヤルすれば、ナビダイヤルでもフリーダイヤルでも普通に繋がります。
このように通話料がお得になる『みおふぉんダイアル』はIIJmioの契約者なら無料で使うことができます。
その『みおふぉんダイアル』での発信に対して『通話定額オプション』が適用となるのです。それ以外の緑のアイコンから発信する通話はオプションの対象外となります。
『みおふぉんダイアル』の使用感は、特に不便や不満を感じることはなでしょう。強いて言うなら通話中に7、8分になると”そわそわ”してしまう事くらいでしょうか。
なお『みおふぉんダイアル』はIP電話ではないので、相手にはきちんと自分の090や080の番号が通知されます。また、着信時に『スマホのロック解除』や『アプリを立ち上げ』の操作は必要ありません。まさしく、普通のスマホとして使えるのが魅力です。
このように発信時に使うアプリを選択する必要があることが『ひと手間』と言うことなのです。でもこの程度なら大した負担ではないですよね。
『通話定額オプション』はどのように使う?


3-1 3分という設定は、どのような利用ができる?
10分以内の通話が無料というのであれば、その利用方法は広がるでしょう。でも3分以内と言われると、ちょっと厳しいかなとも感じませんか?
すなわち、このプランを活用して月々の通話料を0円にするのはかなり厳しいと言えるでしょう。しかし、毎回の通話料から、3分の通話料に相当する金額が値引きされるとしたら、利用価値がありそうですね。
3-2 10分あれば、大抵の通話は賄える?
一方、10分以内の通話が無料になるプランでは、その利用範囲は広そうです。これなら月の通話料を0円にすることが可能かもしれません。
実は、一番の魅力ポイントは、家族間の通話が30分まで無料になる事です。
そうですね。通話料を抑えるためには、色々な使い方を組み合わせる必要があると言えます。これも『ひと手間』の一つですね。
3-3 通話料を無料にするのには無理がある?
もともと、IIJmioの『通話定額オプション』で、大手キャリアのように『完全なかけ放題』とするには無理があると感じます。だって、大手キャリアのプランでも、完全なかけ放題プランと5分程度の短い通話を無料にするプランの両方が用意されているわけですからね。
私も、実際に夫婦で契約して使っているのですが、どうしても月に数回は10分を少し超える通話が発生してしまいます。ただ、ほとんどの通話は10分以内で収まるために、通話料としてはわずかな金額ですけどね。
どんな人に向いている?
ここまで見てきた IIJmioの『通話定額オプション』ですが、一体どんな使い方に対して有効なのでしょうか。
- 月間の通話回数がそこそこ多い方。たとえば短い通話を1日に数回、それも毎日のように利用する方に向いているプランなのでしょう。たとえば、お子さんの学校や幼稚園、習い事などの連絡が必要になる、そんな小さなお子様がいらっしゃるお母さんにはぴったりかもしれません。
- ファミリーシェアプランや追加SIMを発行して、家族でIIJmioを使われている場合なら、家族間通話が10分または30分無料になるため、節約効果が大きいでしょう。大手キャリアなら当然のうように家族間通話が無料だったため、それがなくなるとやはり不便に感じるものです。
ただし、完全なかけ放題プランではないため、長電話には向いていないことは明白ですよね。IP電話や無料通話のアプリなどとの「使い分け」が重要になります。
まとめ
IIJmioの『通話定額オプション』について見てきましたが、いかがでしたか。
格安SIMで通話料を抑えるためには、いろいろ手段はあるのですが、どれも『ひと手間』かかるものばかりです。
たとえば『みおふぉんダイアル』。非常によくできたアプリなのですが、残念なことに iOS版では着信履歴が見れません。(Android版では可能です)もちろん、いままで通り緑のアイコンでは着信履歴を確認できるのですが、その履歴から直接『みおふぉんダイアル』に発信する事ができないのです。番号をコピペするか、自分のアドレス帳から探して発信する必要があります。これが『ひと手間』なのです。
LINE通話の着信も、スマホのロックを外す操作が必要なので、これもほんの『ひと手間』が必要ですよ特にね。
今回まとめてきた「通話定額サービス」についても、通話のたびに5分や10分といった時間を意識しながら通話しなければなりません。これも『ひと手間』ですよね。
この『ひと手間』が、大手キャリアとのサービスの違いと言えるのでしょう。しかし通話は週に数回程度で「そもそも長電話なんかしないよ」という方にとって、大きな問題とはならないでしょう。
それぞれのライフスタイルやスマホでの通話スタイルによって差があると思いますが、通話回数が多い方や家族間通話が多い方には『通話定額オプション』は、非常にオススメであるといえます。
一度スマホの着信履歴で先月分の通話回数や通話時間を確認して見てください。