格安SIMを検討する方にとって、どこのキャリアにするかは悩ましい問題です。
そんな方のために、人気のキャリアを徹底的に比較していきます。
今回は、特に人気の高い『IIJmio』と『BIGLOBEモバイル』を徹底的に比べていきたいと思います。是非あなたの格安SIM選びの参考にしてみてください。
もくじ
比較項目
- 料金プラン
- 利用できる回線
- 最低利用期間と違約金
- 通信制限
- 通話料割引制度
- 大容量プラン
- シェアプラン
- 独自のサービス
1-1 料金プラン
皆さんが一番気になる月々の利用料金について比較してみましょう。
データ通信専用 | 通話機能付き | |||
IIJmio | BIGLOBEモバイル | IIJmio(A,D) | BIGLOBEモバイル(A,D) | |
1GB | 1,400 | |||
3GB | 900 | 900 | 1,600 | 1,600 |
6GB | 1,520 | 1,450 | 2,220 | 2,150 |
12GB | 2,560 | 2,700 | 3,260 | 3,400 |
20GB | 3,100/+20GB | 4,500 | 3,100/+20GB | 5,200 |
30GB | 5,000/+30GB | 6,750 | 5,000/+30GB | 7,450 |
(A,D)はタイプA,タイプDの共通料金
『IIJmio』では、大容量をオプションとして設定しています。例えばデータ通信専用SIMを、3GBの「ミニマムスタートプラン」に20GBのオプションをつけたとすると、合計23GBを4,000円/月で利用できるわけです。
『IIJmio』の大容量プランの仕組みについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
月額利用料として一般的な容量での金額を比較すると、両社にほとんど違いが無いことがわかります。
ただし『BIGLOBEモバイル』の容量追加にかかる費用は100MB/300円です。月末に通信制限にかかるようなら、かえって高くつくかもしれません。
月々のデータ使用量にはムラがあるものなので、1GBのプランにどれほど需要があるかは微妙です。ただし、選択肢が多いことは悪いことではないでしょう。
1-2 利用できる回線
その昔は、格安SIMといえば「docomo回線」でした。UQやmineoが登場することで、次第に「au回線」を利用する格安SIMが増えていき、最近では「SoftBank回線」を利用する格安SIMも登場しました。
現在契約されている大手キャリアや端末によって、利用する回線を自由に選べるようになったのは非常にありがたいといえます。
『IIJmio』と『BIGLOBEモバイル』では、どのキャリアの回線を利用できるのでしょうか。
docomo | au | SoftBank | |
IIJmio | ◯ | ◯ | × |
BIGLOBEモバイル | ◯ | ◯ | × |
実は、両社ともマルチキャリアです。docomo回線をDプラン、au回線をAプランとして両方から選択できるのです。
残念ながら、両社ともSoftBankの電波を利用することはできませんが、SoftBankで購入された端末でもSIMロックの解除がされていば、利用することができる端末もあるようです。
1-3 最低利用期間と違約金
大手キャリアの契約には『2年縛り』が存在します。これが格安SIMを検討する時の大きな動機になっているようです。
問題は、2年縛りが『自動継続』されることにあるようです。解約金を払わずにMNPできる期間は2ヶ月程度しかありません。
IIJmio | BIGLOBEモバイル | |
最低利用期間 | 利用開始月の翌月末日まで | サービス開始日の翌月から12カ月間 |
解約金 |
「音声通話機能付きSIMカード」の場合のみ、契約から1年以内の解約には、利用期間に応じた「音声通話機能解除調定金」(最大12,000円 (税抜))が発生します。 ただし、1年経過後に更新されることはありません。 |
上記期間内に、音声通話サービスの利用をやめた場合、 音声通話サービス契約解除料 : 8,000円(税別) が必要です。 |
MNP転出手数料 | 3,000円(税別) | 契約開始4カ月目以降: 3,000円(税別)契約開始月〜3カ月目の場合:6,000円(税別) |
それに対して『IIJmio』はひと月ごとに解約金が1,000円ずつ下がっていくので、思ったほど高くならないわよ。
1-4 通信制限
どこのキャリアを利用していても、契約しているデータ容量を超えると、月末までの通信制限は避けられません。これは大手キャリアでも格安SIMでも同じ仕組みです。
では、月間容量以外にも制限事項があるのでしょうか。
IIJmio | BIGLOBEモバイル | |
低速通信での制限 | 200kbpsの通信が3日間で366MBを超えた場合、4日目に当該SIMカードの通信速度を制限する場合あり。 | なし |
高速通信での制限 |
タイプAの場合のみ、クーポンのON/OFFに関わらず、直近3日間あたりの通信量6GBを超えた場合に通信速度の制限を行う場合あり。 |
タイプAの回線では、SIMカード1枚につき、直近72時間(3日間)の通信量の合計が6GBを超えた場合、通信速度を制限することがあります。 |
その他 |
・通信規制の解除方法 200kbps通信での制限は、クーポンが残っている場合、ONに切り替えることで通信規制中であっても高速通信が可能です。 クーポンが枯渇し、かつ即時の高速通信をご利用希望の際は、クーポンを追加購入することができます。 |
ネットワークが混雑する時間帯において『通信の最適化』が行われます。 ※通信の最適化を希望されない方には、解除する方法が用意されています。
|
『通信の最適化』とは、データ通信の混雑を緩和する目的で、通信事業社が「携帯端末」とネット上の「サーバー」間の通信データに対して非可逆圧縮などの変換を行うことを指します。
それだけではありません。圧縮して転送されたデータ内容がきちんと使えない状態であったり、明らかに劣化していることがあることが問題とされています。
今のところ『IIJmio』では『「通信の最適化」は行わない』と発表していますが、将来はわかりません。
1-5 通話料割引制度
「格安SIMは、通話料が高くなるよ。」
といった噂を聞いたことはありませんか。
しかし、平均的な使い方なら心配することはありません。各種割引制度が用意されているからです。
IIJmio | BIGLOBEモバイル | |
標準の通話料 | 20円/30秒 | 20円/30秒 |
専用アプリ利用 |
みおふぉんダイアル 専用アプリ『みおふぉんダイアル』から発信すれば、通話料半額。 10円/30秒 |
BIGLOBEでんわ
専用アプリ『BIGLOBEでんわ』から発信すれば通話料が55%割引。 海外通話でも |
かけ放題プラン | 2つのプランを用意
『みおふぉんダイアル』との併用が利用条件。 ![]() ![]() ![]() ![]() 10分以内の通話が、回数に制限なく無料になります。さらに家族間通話なら、30分までの通話が無料になります。 |
4つのプランを用意
『BIGLOBEでんわ』との併用が条件。 ・より通話時間の短い方向けに、通話パック60も月額600円(税別)でご用意。
・より通話時間の短い方向けに、3分かけ放題も月額600円(税別)でご用意されています。 |
ファミリー通話割引 |
同一ID間の通話なら、通話料20%off。『みおふぉんダイアル』と組み合わせれば、最大60%off。 かけ放題プランと組み合わせれば、最大30分までの家族間通話が、通話料無料。 |
設定なし |
1-6 『IIJmio』の大容量プラン
『IIJmio』では、12GB/月のデータ容量が利用できる『ファミリーシェアプラン』が、プランとしての最大データ容量となっています。
しかし、それ以上の容量を必要としている方向けに、『大容量オプション』を用意しています。


オプションは追加クーポンと違って、申し込み後は解約手続きを行うまで有効です。毎月必要な方には、面倒な手間を掛けなくても毎月大容量が利用できます。
データ容量が足りない時には、月の途中からでも追加することができ、そのまま翌月以降も必要な方には、大容量のプランを契約しているかのように、手間いらずに継続利用ができる。
これが『IIJmio』が大容量をオプション設定しているメリットなのです。
1-7 『IIJmio』のシェアプラン
『IIJmio』の特徴の一つに、ファミリーシェアプランがあります。このプランならSIMカードを最大10枚まで利用することができます。
家族のスマホだけでなく、タブレットやノートパソコンにもSIMカードをセットできるので非常に便利です。
また、それ以外のプランでも400円のSIM追加費用を払うことで、最大2枚まで利用することができます。データ容量はシェアする必要があるので沢山使えませんが、その分月々のスマホ費用を抑えることができます。


通話料が割引になる「ファミリー通話割引」などもあるので、家族で契約するのであれば『IIJmio』の方が便利でお得になるかもしれません。
『BIGLOBEモバイル』でも、『IIJmio』のように10枚まではムリですがデータ容量をシェアする方法があります。


また、音声通話SIMでも1GBのプランは複数のSIMカードでシェアすることはできないようです。
1-8 『BIGLOBEモバイル』の独自サービス
BIGLOBEメールアドレス
大手キャリアでは、キャリアメールを利用することができましたが、格安SIMではそのサービスがないことが多いのです。
しかし、『BIGLOBEモバイル』では、無料で「BIGLOBEメールアドレス」を一つ利用することができます。
iPhone が選べる
多くの格安SIMでは、端末の販売を行なっています。もちろん『IIJmio』でも販売はしているのですが、今の所すべてAndroid端末です。
しかし『BIGLOBEモバイル』では、少し古めの端末ではありますが、iPhoneの取り扱いがあります。2018年6月では、iPhoneSE と iPhone6s の2機種が取り扱われています。古めの機種ですが新品の端末なので、最新機種にこだわりがない方なら安心して利用できそうです。
ただし、iPhoneを選ぶとタイプAしか選択できなくなるようなので注意が必要です。
支払い方法が選べる
『BIGLOBEモバイル』は、利用代金の支払い方法として「銀行口座振替」も選択することができます。格安SIMとしては珍しいと言えるでしょう。
『BIGLOBEモバイル』とは
『IIJmio』については、別の記事にまとめていますので、参考にしてください。
ここからは、『BIGLOBEモバイル』という会社について紹介してみようと思います。
2-1 BIGLOBEとは
『BIGLOBEモバイル』は、大手ISP(インターネットサービスプロバイダ)である、BIGLOBEが運営するMVNOで、サービス開始当時はdocomo回線を利用してサービスを行なっていました。
BIGLOBEは、もともとNECの一部門でしたが、独立や合併を経て2017年にはKDDIの完全子会社となりました。
その結果、au回線も利用できるようになり、今ではマルチキャリアとしてサービスを展開しています。
2-2 業界シェア
MMD研究所が、15歳~69歳の男女を対象に2018年2月16日~2月22日の期間に行なった調査です。
「2018年3月格安SIMサービスの利用動向調査」


現在の『BIGLOBEモバイル』はKDDIの一員であり、そのKDDIはauのサブブランドとして『UQモバイル』を展開しています。
現在の『BIGLOBEモバイル』は、マルチキャリアとしてdocomo回線とau回線両方から自由に選択できますが、KDDIが買収した当時は、docomo回線でのサービスだけを展開していました。
当時SoftBank系のY!モバイルが勢いを増していた時で、低価格帯でのサービスが弱かったKDDIがBIGLOBEに目をつけたのでした。
まとめ
『IIJmio』と『BIGLOBEモバイル』についてまとめてきましたが、いかがでしたか。
KDDIグループの一員として、Y!モバイルで先行するSoftBankや、多くのMVNOに回線を提供してたdocomoに追いつくために、同じ系列である『UQモバイル』とともに、確実に契約者数を増やしている『BIGLOBEモバイル』です。
このような繋がりがあるために、格安SIMでは珍しくiPhoneを取り扱うことができるという事情があるのでしょう。
あなたのスマホ利用スタイルは、『IIJmio』と『BIGLOBEモバイル』のどちらが合うのでしょうか。