格安SIMに変える時、「SIMカードを差し替えるだけだよ。」なんて言葉を耳にします。
確かにその通りなのですが、いろいろと注意しなければいけない事もあります。確認ミスで、せっかく契約したのにスマホとして利用できない、なんてことにもなりまねません。
今回は、スマホと呼ばれる通信機器の種類や違い、見分け方について詳しくみていきましょう。
もくじ
SIMロックの話


1-1 本来は・・・
携帯電話が登場する前は、家庭用固定電話、いわゆる「家でん」が通信手段の主流でした。
その「家でん」の契約方法をご存知でしょうか。
いいえ、特に複雑な仕組みはありません。NTTと回線の契約を行い、壁のジャックと量販店で購入した電話機をコードで繋げば完了です。
このことから分かるように、電話回線と電話機は別々に契約または購入することが一般的で、本来スマホもそうあるべきだと言われています。
それは、かつての携帯電話販売の慣習が原因です。
スマホの端末代金は安いものでも5万円程度、高級機種の場合は10万円を超えるものも珍しくありません。
そんなに高価な端末であるにも関わらず、概ね2年から3年程度で寿命を迎えます。それは、機械的に壊れないとしても、あまり古い機種では最新のサービスを利用できない事があるからです。
そこで、最新機種をたくさん売りたい端末メーカーとdocomoのような大手通信会社が、10万円の出費を見えなくしてしまったのでした。90年代の話です。
2000年前後には、携帯0円というフレーズが堂々と掲げられていました。高級な端末を破格値で提供する代わりに、月々の利用料を割高に設定するビジネスモデルです。
当時は、携帯がただ同然である事も、月々の利用料が高い事も、「当たり前なんだ」と、多くの方が思っていたのです。
基本的な考え方は当時も今も変わっておらず、高いスマホ端末代金をわかりにくくするために、契約内容を複雑にし、あたかも「お得」であるなのようなフレーズで消費者を誘っているのです。
1-2 大手キャリアの事情
大手キャリアとしては、高級端末を破格値で提供する分、月々の利用料で回収しなければなりません。それには長期契約が不可欠であり、途中解約でもされると大損になってしまいます。
端末の割引分は2年間かけて回収し、2年後にはまた新しい端末へ切り替えを促すために、月々の使用料を値上げするのです。
また、購入した端末を利用して、他のキャリアで契約できないように、販売する端末にロックをかけているのです。
スマホを、ネット閲覧とメールやSNS、デジカメ程度しか利用していないとすると、もう少し割安な機種で十分なのかもしれません。それなら数年に一度、一括で購入する事も負担では無くなります。
1-3 SIMフリー端末
実際に家電量販店へ行けば、SIMフリースマホが販売されています。すなわち、大手キャリアのショップでなくてもスマホは購入できるのです。
そこで登場するのが「格安SIM」です。格安SIMなら、端末の大幅割引分の負担がないために、月々の利用料金を安く設定できます。実際に大手キャリアと比較しても「半額以下」と言われています。しかし、これは利用する端末にもよるので絶対というわけではありません。
OSの違い


2-1 Android端末とは
世界中で使われているスマホは、そのほとんどがアンドロイド端末かiPhoneです。すなわち、「アンドロイド端末とはiPhoneでないスマホ」と言っても良いかもしれません。
Androidとは、Google社が開発したモバイル端末用の基本ソフト(OS)のことで、世界中で使われているスマホの実に9割近くがAndroid端末ということになります。(2017年データ)
実は、Android OSはオープン仕様です。すなわち無料で利用できるということ。各メーカーはAndroidを搭載した端末を、お金を払わずに製造することができるのです。
さらに、各メーカーはある程度自由に開発してもよいことになっていて、独自の機能を搭載することができるのも大きなメリットです。
2-2 i-OSとは(Apple製品)
スマホが世の中に登場したのは、2007年に発売されたiPhoneからかもしれません。その斬新なスタイルから、爆発的な人気を獲得しました。
日本で販売されるようになったのは、2008年のこと。SoftBankから発売されたiPhone3Gが最初でした。
当時、Appleから相当量の販売ノルマを課せられていたという噂で、決して安くないiPhoneを効率よく販売するために、日本でのスマホと回線契約のセット販売が定着して行ったのでした。
その甲斐あり、世界ではそのほとんどがAndroid端末であるのに対し、日本市場では、7割近くがiPhoneです。(2017年データ)
i-OSはApple製品にしか搭載されません。限られた機種での操作性に対応するように設計されているため、比較的スムーズに操作できると好評なようです。汎用性が求められるAndroidは、自由にカスタマイズできる反面、無駄も多いのでしょう。
日本人の欧米好きというのか、それとも近隣ライバルアジア諸国に対する対抗心か、微妙な心理が働いているのでしょう。
2-3 かつて存在したWindows端末
実は、Windowsを搭載したスマホも存在します。
かつて、Windows 10ファミリーの中でモバイル市場を攻略する重要な役割を担っていたモバイルOS「Windows 10 Mobile」ですが、AndroidとiOSを脅かすには至らず、新規の開発は実質的に終了しているとの事です。
2018年現在、まだサポートはされているので、少なからず利用者はいるのでしょうが、上記2つのOSに対しては、かなりの少数派と言えるでしょう。
キャリアごとの事情


3-1 キャリアごとに帯域が違う
大手キャリアがSIMロックをかけている事以外にも、他のキャリアで端末を使えない事情があります。
というのも、同じ携帯電話であってもキャリアごとに、利用できる電波の帯域に違いがあるからです。
帯域とは、電波の周波数の範囲のことで、その周波数によって利用目的が分けられています。
以前は、携帯電話のアナログ通信は800MHz帯、デジタル通信は1.5GHzと分けられていました。しかし増え続ける携帯通信に対応するために、アナログ通信を廃止し、それにテレビのアナログ放送が終了して空いた帯域とを整理して、携帯電話の大手キャリアに割り当てられたのです。
その結果、割り当てられた帯域がキャリアごとに微妙に違うのです。
多くのSIMフリー端末は、様々な帯域に対応できるように設計されていますが、各キャリアのショップで販売されている端末の中には、自社での利用しか想定せずに設計されている物もあります。
3-2 4Gへの移行において
時代とともに、技術が進歩し新しい規格がどんどんと策定されていきます。もちろん、携帯電話の電波にも技術の進歩は当てはまります。
よく耳にする3Gや4Gというのは電波の規格のことで、直訳すると「第三世代の規格」「第四世代の規格」ということになります。
当然4Gのほうが高速での通信が可能となり、現在4Gへの移行がすすめれれています。
LTEとは、3Gから4Gへの橋渡し的な規格であり、以前は3.9Gなどとも呼ばれていました。現在は、4Gへの移行期間ということで、3GとLTE両方の規格が並存する状態になっています。
そのため、機種によっては対応できたりできなかったりと、少しややこしい状態になっているのです。今後は、LTEやVoLTE対応が当たり前になっていくことでしょう。
3-3 LTE? VoLTE?
高速でのデータ通信が可能なLTEなのですが、その利用方法はパケット通信(データ通信)に特化されています。すなわち音声通話には、昔ながらの3G回線が利用されているのです。
今後、4Gへの移行のために、LTE回線で音声通話を行うことが必要となりました。そこで登場したのがVoLTEです。VoLTEは、LTE回線で音声通話を行う技術であり、すでに多くの端末で利用されています。
理由はわかりませんが、今もauではVolte対応端末ではVolte専用のSIMカード、Volte非対応の端末では従来のSIMカードしか使えないという妙な状態になっています。そのため、au以外ではVoLTE対応・非対応をあまり意識する必要がないわけです。
スマホ以外にも通信する端末がある


4-1 タブレット端末
スマホを利用するためには、SIMカードが必要です。それも「音声通話通話機能付き」が必要になります。
これは、いわゆる「090」「080」「070」通信を行うために必要な機能であり、音声通話機能を利用しないのであれば、「データ通信専用SIMカード」で十分ということになります。
たとえば、iPadのようなタブレット端末であれば、音声通話は必要ないでしょう。
音声通話をしないiPadで「Cellularモデル」とはどういうことでしょうか。
4-2 モバイルパソコン
タブレット以外にも、ノートパソコンでSIMカードを挿せる機種が増えています。タブレット同様に、wifi圏外でも利用できると、人気があります。
ノートパソコンといえば、ほんの数年前までは1.5〜2kg程度の重さがあり、バッテリーの持ちも悪かったために、特殊な用途をのぞいて外出先で使うことはありませんでした。
近年、1kg未満のモデルや10時間程度の連続仕様に耐えるバッテリーなどが開発されてきたおかげで、気軽に外出先でも利用できるようになりました。そのような利用目的のモデルにはSIMスロットが内臓されるようになったのです。
4-3 モバイルルーター
データ通信専用SIMの利用で、比較的多いのが「モバイルルータ」ではないでしょうか。
最近でこそ、パソコンやタブレットにSIMスロットが内臓されることが増えてきましたが、そのような装備がない方にとって、モバイルルーターは自宅のwifi環境をそのまま持って外に出かけられるようなイメージで利用できます。
また、海外でのパケット通信に利用するケースにおいても人気があるようです。
まとめ
スマホにも、いろいろな規格があることが伝わりましたか。
この分野の技術は、日進月歩であるために今後も新しい規格が登場し、3Gの規格など古めのものは廃止となっていくのでしょう。
現在IIJmioで利用できる端末は、
- SIMフリー端末
- docomoで購入された端末
- auで購入された、VoLTE対応端末
ということになります。
iPhoneに関しては、SIMロックの解除がされている、iPhone6S以降の機種であれば、購入場所にかかわらず全て利用可能です。
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