格安SIMは緊急速報に対応しているのか 対応・非対応の境目はどこ

 

毎年9月1日は「防災の日」として、多くの学校では2学期の始業式と同時に避難訓練が行われることが多いですよね。

この9月1日というのは、昔から「二百十日」といって台風が多い日と言われています。(諸説あります)また、関東大震災の発生日として人々の記憶に残っており、「防災の日」として指定されている事は、これに起因しているとのことだそうです。

 

そして2018年。6月には大阪北部地震、7月には西日本豪雨。8月には相次いで台風が西日本に上陸し、中でも関西空港に大きな被害をもたらした台風21号は記録的な暴風として記憶に残ります。(21号の上陸は9月4日)そして9月には北海道胆振東部地震。大きな自然災害が続き、その際の通信インフラの重要性が論議されています。

大きな地震が発生したときには「緊急地震速報」が一斉配信され、電車を停めたりエレベーターから降りるなど、少しでも被害にあう確率を下げる工夫がなされています。また、水害や土砂災害に対しては「避難情報」が、隣国のミサイル発射時には「Jアラート」が、緊急に身を守るために必要な情報がスマホに配信され、情報が活用できる時代になりました。

ぶち猫さん

ぶち猫さん
だけど・・・。格安SIMを使う人には、情報が届かないって噂があるけどどうなの?
きんぎょ君

きんぎょ君
そんな事はありません。2017年12月に電気通信事業者協会(TCA)が、Googleが提供している「Android™ 8.1」向けに共通受信仕様を策定いたしました。これによりSIMフリー端末においても、特別にアプリを導入することなく受信できるようになると期待されています。

 

期待されているとは、どういうことなのでしょうか。いまだに、受信できないことがあるということなのでしょうか。これらについて詳しく解説していきたいと思います。

 

緊急速報とは

1-1 緊急速報の種類

「緊急地震速報」は2007年から運用が始まっており、東日本大震災(2011年)にその存在が広く知れ渡りました。

「Jアラート」も2007年から運用が開始されています。実際に広く知れ渡ることになったのは、2016年の北朝鮮によるミサイル発射の時からではないでしょうか。

他にも各自治体が独自の緊急速報(避難情報など)を発信しています。

各種の緊急速報として扱われる警報は、国や自治体が発出しているのですが、それを直接皆さんのスマホが受信するわけではありません。

各種の緊急速報は、テレビ・ラジオ局や大手携帯会社へ届けられ、各携帯電話会社が自社の情報配信サービスの一環として、この警報を契約者に配信しているのです。

1-2 緊急速報のシステム

日本の携帯電話・スマートフォンで使われている緊急速報のシステムは、ETWSという世界共通規格に基づいています。すなわち信号自体は共通規格なので、極端に古い機種でなければ(携帯では2007年頃から、スマホでは2011年頃から)すべての端末がその信号を受信することができるようになっています。

きんぎょ君

きんぎょ君
違いは、「緊急速報の内容を表示できるか出来ないか」というところにあるのです。
ぶち猫さん

ぶち猫さん
受信できているのに、その内容を表示しないのはなぜ?

各携帯会社は、このシステムを利用して様々なサービスを提供しています。すべてが緊急性の高い情報ではありません。各携帯会社が販売する端末では、それらのサービス内容に合わせて、表示するかしないかを「端末が」判断しているのです。しかし、内容表示の判断に必要な情報は外部に非公開であるために、SIMフリー端末ではそれができないのだそうです。

 

1-3 緊急信号を表示する仕組み

docomoやauが発信する「エリアメール」や「緊急速報メール」も、ETWSという仕組みに基づいて発信される独自サービスです。

きんぎょ君

きんぎょ君
ETWSを利用して発信される情報は、その内容によって(ID)で管理されます。標準的な地震・津波情報のIDは公開されているのですが、各携帯会社が独自に利用するIDは非公開なのです。

 

各携帯会社が販売する端末は、地震や津波に関する緊急速報はもちろん、独自に利用するIDについても受信及び表示する機能が備わっています。そのため、それらの機種を利用しているのであれば、IIJmioのようなMVNOのSIMカードを利用していても、各種の緊急速報は問題なく表示されるのです。

問題になるのはSIMフリー端末です。

ぶち猫さん

ぶち猫さん
SIMフリー端末は、各携帯会社が販売しているわけではないので、独自に利用するIDに対応できないのね。
きんぎょ君

きんぎょ君
そのとおりです。SIMフリー端末でも、緊急地震速報に対応できる機種は多くありました。しかし、Jアラートや自治体防災情報については表示出来ない機種がほとんどだったのです。

 

電気通信事業者協会が仕様を策定した背景

2017年12月25日に電気通信事業者協会は、

『Android™ における緊急速報「エリアメール」及び「緊急速報メール」の共通受信仕様を策定』

を発表しました。

≫電気事業者協会の発表内容

2-1 Jアラートが受信できない端末があった

格安SIM利用者が「緊急地震速報への対応」に気付いたのは、2017年のJアラートがその発端です。

隣国がミサイル発射実験を行うたびに、Jアラートで警告が発信されたのですが、大手キャリアの携帯が警告音を発する中で、多くのSIMフリー端末が反応しなかったのです。

2016年にIIJmioが実施した実験でも、iPhoneを除く多くのSIMフリー端末が、大手キャリアが独自IDを利用して発信する緊急速報である「Jアラート」に対応出来ていませんでした。

2016年当時、IIJmioでは以下のように発表していました。

  • 緊急速報はMVNO契約者でも受信できる
  • MVNO契約者が利用することが多い「SIMロックフリースマートフォン」には、緊急速報を受信しても画面表示や警告音が鳴動しないものがある
  • 現在市場に出回っているSIMロックフリースマートフォンは、地震・津波について警報を表示・鳴動するが、それ以外の災害や緊急事態では警報を表示・鳴動しないものが多い
  • 大手携帯電話会社が発売したスマートフォンとiPhone(SIMロックフリーモデルを含む)は、全ての警報で表示・鳴動する

 

ぶち猫さん

ぶち猫さん
iPhoneは対応できていたんだ。
きんぎょ君

きんぎょ君
そのとおりです。iPhoneの対応はとても早く、すでにiOS 5 から各携帯会社独自IDを利用した緊急速報まで含め、すべての緊急速報に対応できていたのです。

 

2-2 2017年8月の国会で取り上げられることに

Jアラートが一部のSIMフリー端末で表示されなかったことは大いに話題となり、当時の国会でも取り上げられたほどでした。

「国民の命を守るためのシステムである緊急速報を、格安スマホが生き延びる戦略として機能を省いているのではないか。それではいけないのだよ。」といった内容であったとされています。

なんだかMVNO事業者が、わざと機能を省いているかのようにも聞こえますが、原因はさておき、SIMフリー端末に大きな問題が存在していることが公に認識されたということです。

 

2-3 Android端末でも、アプリ無しで表示できるようになる

これらの流れを経て、電気通信事業者協会(TCA)において、docomo・au・SoftBankの3社は、各社が提供する「エリアメール®」及び「緊急速報メール」について、グーグルが提供する「Android™ 8.1*」向けに共通受信仕様を策定することになったのです。

これが実現すれば、すでに対応済であるiPhone同様にAndroid端末でも、「特別にアプリを用意することなく全ての緊急速報を受信できるようになるのではないか」と期待されているのです。

ぶち猫さん

ぶち猫さん
期待されている?それでもまだ未対応の端末があるって事?
きんぎょ君

きんぎょ君
Googleが管理するAndroidのソースコードを基に、スマホメーカー独自の修正が施されることが一般的です。すなわち「ETWS関連の機能が製品に含まれるか」は、各スマホメーカーの判断次第となるのです。

日本のメーカーであれば、日本での使用を前提に設計さるでしょうが、海外メーカーがグローバルモデルをそのまま日本市場へ持ち込む場合には、ETWS関連の機能が削除されている可能性があるということになるのです。

 

現在の各種端末の対応状況

3-1 各端末の対応一覧

各種端末の、緊急速報に対する対応に関する大まかな目安表です。iPhoneは、現在使用されているであろうほぼ全ての端末ですでに対応できることが確認されています。

問題はAndroidのSIMフリー端末です。

目安として 8.0以降のバージョンであれば対応できていることが確認されています。ただし、あくまでもメーカー次第である部分が残されているので、全ての対応が補償されているわけではないようです。

きんぎょ君

きんぎょ君
特に海外モデルの端末を利用される場合には注意が必要なようですね。ただ、その場合でも専用アプリを利用すれば緊急速報を受信表示することができるようになるようです。

 

3-2 境目はAndroid 8.1以降

電気通信事業者協会(TCA)主導で策定された共同受信仕様では、Android 8.1以降に対応とされていますが、IIJmioがおこなったテストではAndroid 8.0以降での作動が確認されているようです。端末を購入する段階で、一つの目安となりそうですね。

 

IIJmioの取り組み

IIJmioでは、早くからこの問題についてアナウンスをしています。

いろいろな噂が錯綜する中で、問題の原因と対策及び各端末の対応状況について、常に最新の情報が発表されています。

≫IIJmio「MVNOと緊急地震速報とSIMフリースマートフォン」

この問題だけではなく、新しく発売された端末やOSに対する対応状況など、驚くほど早く公式サイトにて発表されているのです。契約者としてはとてもありがたいと言えるでしょう。

ちなみに、IIJmioで2018年以降に発売したスマートフォンは、一部を除いてAndroid 8.0以降を搭載しているとのことです。すなわち、緊急速報の受信にはきちんと対応しているようです。

 

まとめ

大きな自然災害が続き、スマホの緊急速報の重要性が再認識される中、IIJmioや各端末の対応状況についてまとめてきましたが、いかがでしたか。

ぶち猫さん

ぶち猫さん
私はiPhoneだから安心ね。
きんぎょ君

きんぎょ君
Android端末でも、大手キャリアで購入したものであれば問題なく受信・表示することができるようです。SIMフリー端末をお使いなら、各製造メーカーに問い合わせてみるのも良いかもしれません。

 

IIJmioでは、緊急速報や災害時伝言板について最新の情報を発信しています。

≫IIJmio「格安スマホ MVNOと緊急速報・災害時伝言板」

 

自然災害に対する備えは、各自で責任をもって行うことが大切です。平常時にできることをきちっと行うことで、いざという時に身を守ることができるのですから。

 

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